ケンカに感謝状。

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中学に入学して、間もない頃、上級生の勘違いで、私が麻薬を売っているとガセが校内に広がった。 名誉棄損もいいとこだ。そう思い、ガセを流した中心メンバーをひとりでボコボコにした。 当然、職員室に呼ばれた。 (暴力騒ぎだからな、停学かな。) 「失礼します。処分の内容を伺いに参りました。 生活指導の先生はいらっしゃいますか?」 「ハハハハ。」 私を見た途端、男の先生がふたり、大笑いを始められた。そして校長先生がにこにこして私の側に来られた。 「私は停学になるんじゃないかって、真剣なのに!なんでこの方たちは笑われているんですか?」 「なんで処分せにゃあいけんのん?」 大笑いされていた男の先生がおっしゃった。 「…だって、校内で暴力さわぎを起こしました。」 「俺ら、去年からあのクソガキどもに、何回煮え湯飲まされたか知らん。あー、いい気味。ハハハハ。 お前には感謝状渡したいくらいじゃ。」 「金一封もつけてな。」 「金一封ですか。三封ぐらい頂かないと(笑)」 「ハハハハ。」 「お前、ヨーヨー使ったって聞いたで。俺ら、さっきからやりよるけど、全然できんで。」
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