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「だぁーって、体育じゃヨーヨーやらんもーん。」
「それはそうですね。」
「お前、ちょっと手本を見せてくれぇや。」
「いいですよ。」2、 3回スピンさせて下へ投げて、手に受け取った瞬間、先生の顔面スレスレに投げ、私も自分の顔面スレスレに受け取った。
「ヨーヨーっていうのはね、こうやって使うんですよ。」
「かっこいい。わし、お前のファンになる。」
私はつんのめって、
「やめて下さいよ。アイドル歌手じゃないんですから。」
「お前、仁義なき戦いって知っとるか?」
「山口組の話ですよね。」
「山口組っていうか、共政会の話。」
「でも、この前暴力団対策法が施行された時、山口組系暴力団になってましたよ。」
「うーん。でも共政会は共政会で独立しとる。
俺なぁ、昭和40年に共政会が広島の裏を一手に締めるまで、総番長いう地位があったんよぉ。
俺、最後の総番長じゃったんじゃ。」
「へぇぇ。すごいですね。
先生達の頃のケンカって、どんなんだったんですか?」
「わしらの頃はのう、まず自分の学校で仲間を作る。それからとなりの学校へ殴り込みをかけて、手下を増やす。それを4、 5校やって、最後に某中学へ殴り込みに行く。」
「なんで某中学のがいちばん最後なんですか?」
「だって、あそこ、組の兄ちゃんが出てくるもん。」
「某中学は怖かったスよね。いまだに共政会の構成メンバー、某中学出身がいちばん多いんでしょう。」
「まだそうなん?」「某中学出身だとハクがつくんじゃないですか?」
「それでその組の兄ちゃんが出てくる某中学とのケンカは勝ったんですか?」
「あったぼうよぉ!」
「すごい!かっこいい。
でもそれだけ強かったら、組から勧誘が来たでしょう。ぜひ、ウチの組へって。」
「来たよ。でも俺、断った。」
「なんで?先生なら今ごろ、幹部でしょう。」
「俺、教師になりたかったんじゃ。」
」
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