141人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
僕は、妻の真知子を病で亡くし、彼女の形見である空としばらくは暮らしていた。
空は素直で可愛い子だった…。
しかし、母を亡くしてから、表情というものを無くしてしまった。泣くことも笑うことも怒ることもすべて…。
僕は、そんな息子と仲良くやっていけるか心配だった…。
そんなとき、僕を支えてくれたのは、由香だった。由香は同じ会社で働くOLだった。
僕は彼女の優しさに触れ、互いに惹かれあい…、彼女と結婚をした。
その頃から、もしかしたら、空は心の中で泣いて、叫んでいたのかもしれない。
「父さん、助けて!」と。
最初のコメントを投稿しよう!