勇者の憂鬱

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勇者に選ばれた理由? 素質とかなんかじゃないのか? 「良いことを教えてやるよ、勇者ってのはな、他国から評価を得るために生まれたんだよ」 他国から評価? なんの事だ? 「魔王が悪とか、国が攻撃されてるとかは全てでっち上げだ」 ……は? でっち上げ? 「魔王が他世界にいる人間を攻撃するなぞ、よほどの事がないとするわけねぇだろ!つまり────」 「いい加減、黙りなさい。リジンク・ヘル・テオール」 「ぐっ!」 突然、マグナは胸を抑えて苦しみ始めた。 この冷徹な声は……あいつしかいないよな。 押し潰される位にやられた腹を気にしながら、 「おま──ベル……何で……手を出したんだ?」 見上げると頭上で俺を見下してるベルがいた。 あ、パンツ見えた。 真っ白な、汚れもない綺麗な布地で作られたパンツ。 うわ~魔王ってパンツはくんだな。 しかもあんな綺麗なの。 今度頼んで是非スケッチさせてもらいたい物だ。 「よほどの事だったので攻撃させてもらったわ。それに、私のこれからを奪った男が気に入らないのよ」 「これからって……なんだよ……」 「初夜」 「いやいや……何?お前……子作りするき満々?」 「38人は欲しいわね」 「多っ!俺、どんだけ頑張るんだよ!」 「安心しなさい。活力剤は地下倉庫に沢山あるから」 「凄いなお前!」 準備万端だな。 おい。 こいつ、そこまで俺の事が好きなのか? そういえば何年生きてるんだろ、魔王って。 噂だと500年~800年まで生きるとか、不死身だとか色々あるけど……ふむ。 「さて、私は彼をいたぶって殺すとするわ」
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