プロローグ

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夢を見ていた…。 遠い…懐かしい夢…。 11年前… 「泣かないで、●●ちゃん…」 「だって…だって…」 その時の俺は…、必死に泣いている誰かを慰めていた…。 「ほら、元気だして! 僕は●●ちゃんの笑顔が見たいな?」 ガキの頃はいつもそうやってその子を泣き止めさせようとしたんだっけ…。 「…うん…。迅くんがそう言うなら、●●、もう泣かない!」 「うん、偉いよ、●●ちゃん」 そしていつも笑顔でその子の頭を撫でていた。 すると決まってその子は顔を真っ赤にしていたっけ…。 「/////」 ガキの俺は鈍感で、その子の態度を不思議そうに見ていたな…。 どうしたの?って言って…。 そしてその子はあのねっ、と言った後、 「わたし、迅くんのお嫁さんになりたい!」 と言い出す。 子供の俺は馬鹿だから、軽はずみで、 「大人になって、●●ちゃんがもっと綺麗になってたらいいよ」 と生意気(なまいき)なことを言っていた気がする…。 その子は笑顔で約束だよっ!!、と言って指切りをさせられたな…。 だがその子は数日後、どこかに引っ越したらしい…。 そのせいなのか…俺は…その子の名前を思い出せずにいた。
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