『天使と悪魔』

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帽子をかぶった悪魔─クリと、ぽっちゃりした悪魔─ヤスは、初めて見る白い羽根をもつコウゾウに驚いたが、人懐っこいコウゾウに警戒はしなかった クリが手早く羽根の手当てを終えると、小屋の扉を叩く音が聞こえた 扉を開けると、そこにはマツダと神様の側近、“大天使”のフジワラが立っていた コウゾウの気配を探して、魔界までやってきたのである マツダは心配したと言って、コウゾウを抱きしめる そのままコウゾウを抱き抱えたまま帰ろうとするが、コウゾウはシンジとヒロヒサと遊べなくなるのは嫌だと泣き出す そんなコウゾウに、シンジは自分の抜け落ちた黒い羽根を渡し、必ずまた遊ぼうと約束する そんなシンジに安心したのか、コウゾウはマツダの腕の中で眠りに落ちた そんな様子を見ていた大天使─フジワラは、不敵に笑う 「大丈夫や。うちの神様はなぁ、子供達の為なら何でもしてまうから。絶対また遊べるで!」 そう言って天界へと帰っていった 数日後 天界と魔界の境の、空高くまであった結界は、100年位の天使、悪魔ならば、飛んで行くことが出来るくらいに低くなっていた この日を境に、天界と魔界の歴史は変わった 天使と悪魔は仲が良く、協力しあって暮らした──と .
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