0人が本棚に入れています
本棚に追加
真夜中の公園
1人佇む男
ブランコに座り、暗い静かな夜に体を揺らすだけで起きる金属のきしむ音だけが響く
『俺は、何をしているのだろうか』
まだ、空の明るい内からずっと考え続けていたこと
かれこれ、もう五時間にはなる
男がブランコを揺らすのを止めた
静かな夜に戻り、虫の鳴き声が耳に入ってくる
男は身震いした
『もう夏も終わりかな』
夏に感じる生暖かい風とは違う、冬を感じさせるような風が男の体に突きささるように吹いている
『なぜ、ここにいるのだろうか』
これも、さっきからずっと考えていること
家に帰れば、人の温もりはないけれども、ストーブや布団、身体を温めるものはある
でもなぜか、男はそうできないでいた
最初のコメントを投稿しよう!