skyblue

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  カ「大丈夫だよ、俺は居なくなったりしないから。」 イ「うん…。」 優しいカンインの声は、俺の心まで包み、全身を守られているような、そんな気がした…。 イ「お前って、本当“青”が似合うよな…。」 カ「え?」 俺を腕から解放したカンインにそう言ってやると、よく聞こえなかったのか、聞き返してきた。 イ「“青”似合うって言ったの。」 カ「そう?」 イ「うん。特にスカイブルー。」 カ「…何で?」 イ「なんか、似てる…。」 カ「は?」 カンインは、意味がさっぱり分からないって顔で俺を見てくる。 イ「ぷっ!変な顔…!」 カ「笑うなよ!ってか、どういう事?」 イ「カンイン、空みたいだから。」 カ「はい?」 今度は、無意識なのか敬語で聞き返してくる。 それはそれで、なんか寂しいな… イ「空って、見上げたらいつもそこにあるだろ。」 カ「…あぁ。」 イ「カンインも、気付いたら側に居てくれるし、」 カ「うん。」 イ「いつも、包まれてるみたいな気持ちになるんだ。」 カ「俺に?」 イ「っ!? 空にだよ!!」 ニヤニヤした笑顔で見てくるカンインに恥ずかしくなって、俺はまた目を逸らした。 ヒョンとしての威厳が…! けど、カンインの言った事は間違いじゃない…。 カ「じゃあ、ヒョンは海だね。」 イ「え?」 カ「ほら、よく言うだろ。“海は空の色を映してる”って。」 イ「うん。」 カ「だからヒョンは海。」 イ「だからって、今の話に一貫性あったか?」 カ「だからぁ…」 トゥギは俺色に染まってるって事だよ… イ「っ!?」 耳元で囁かれた言葉に、俺は声にならない声を発した。 また… まただ… 触れられる距離にはいないのに… 抱きしめられている様な感覚になる…。 心に巣食っていた不安が、いつの間にか消えていた。 自分でも、気付かない内に…。   ◇◆ sky blue ◆◇ (あなたを感じられるなら…) (染められたって構わない。)  
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