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「佐々本さーんっ!検温の時間ですよぉ!!」
元気な看護士さんの声が病室中に広がる。
彼女は祖母の担当ナースの内田さん。まだまだ若葉マークの明るい看護士さんである。
「あら、沙希ちゃん…おばあちゃんのお見舞い?」
「うん。今日は終戦記念日でしょう?学校の宿題なの。テーマは『祖父母の終戦体験記』なんだ!あ、おばあちゃん、ICレコーダーに録るけど普通に話してね。」
私は佐々本沙紀、小学校六年生、ピチピチの12歳。
小さい頃からおばあちゃんっ子で、おばあちゃんが大好きで、いつも後ろをついて回っていた。
だけど、あんなに元気だったおばあちゃんも、今年に入って随分衰えたように見えた。
実際問題、おばあちゃんは今、病気を抱えて入院している。
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