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「...騒がしい二人でごめんね。でも、悪気はないんだよ」
『...ぅん』
空はやっぱりクスクス笑いながら疲れた様子の僕を見ている。
「新しい友達だからはしゃいでるんだ。...ちょっとテンション高い所もあるけど、とっても優しい人達だから、嫌わないであげてね。」
『.....別に嫌ってはない』
―――嫌ってはないけど、
どう接すればいいか解らない...
心で思ってもそれは言葉にする事が出来なかった。
言葉にしてしまったら、いけないような気がして――
「...ぁ、ついた。..それじゃぁ、あたしこっちだから、また明日ね!」
そうこうしているうちに空との別れの地点もやってくる。
一緒に改札を潜ってから、彼女はそう言い残して、僕とは反対方向のホームへと向かっていった。
『.....友達、か』
先程、空に言われた言葉が何となく突き刺さる。
彼女に言われた慣れない単語が未だ、頭の中を回っていて....
...何を悩んでいるんだろう。
頭を悩ませるその単語に少し苛立ちを覚え、
また軽く溜め息を吐いて自分の家へと向かうホームへと歩き出した―――
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