プロローグ。

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机に落書き、 教科書は破られ、 挙句の果てにはトイレに監禁なんて事もあった。 「男の子はこっちですよー」 「そこでしばらく頭冷やしてればー」 男子トイレに僕を閉じ込めた後、クラスメートはそんな台詞を残し、去っていく。 僕はやれやれと溜め息をついた―――。 こんな事が毎日続いていれば、当然いつかはガタが来る。 強がっていても神的はやられるもので、 涙を溢した夜もあった。 けれど、助けてくれる人間は誰一人と居なく、僕はイジメと戦い続けた。 ある日、とうとう我慢できなくなり教室で大暴れした。 それ以来、イジメはぱったりと止んだが、心の傷は癒えることなく、 僕は誰とも接しなかった。 そんなこんなで3年が経ち、 中学を卒業。 成績が良かった僕は、家から遠くのそれなりに頭のいい私立の女子校を受験。 わざわざ遠い学校に進学した理由はこれを期にここから離れたかったから。 中学卒業と同時に、 埼玉から東京へと引っ越したのだった.....
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