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「ありがとう。...ぁ、さっきはごめんなさい。」
『え?』
何の事だろう?
彼女とは初対面のハズだ。
何故謝られるのか...
「あれ?..覚えてない?さっきぶつかったの....」
隣に座った彼女は申し訳なさそうに上目使いで見上げてくる。
『――ぁー、あれ君だったんだ。逆光で君の顔見えなくて...気にしてないから大丈夫だよ。』
慣れない愛想笑いでそう返す。
「そっか...ありがと。よかったら名前教えて?あたし、相川空(アイカワソラ)だよ。よろしくね」
彼女は花のような笑顔で笑った。
――女の子らしくて可愛い子だな。
僕にしては珍しく、そんな事を思った。
『....僕は咲本翼(サキモトツバサ)だよ。..よろしくな』
そして、一瞬飛びかけていた思考回路を慌てて戻し自分の持ってる最大限だと思う笑顔でそう言った。
すると――――
「「そらー!!」」
二人組の女の子が勢いよく教室に入ってきた。
『永遠、涼風!』
隣の彼女――相川さんが立ち上がる。
「また同じクラスだな!」
「嬉しい!」
3人は友達なのか、きゃっきゃとハシャギ始める。
カヤの外な僕。
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