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3月1日。
よく晴れた青空が広がっていた。
今日は母校、柳ヶ浦高校の卒業式。
今、私は日本に居る。
そして、誠二くんの帰りを待っていた。
そうだ、まずはあの時の事を話さないとね。
お母さんが応援してくれると言った翌日、私はお父さんに日本に帰って誠二くんの近くで暮らしたい事を伝えた。
もちろん私は一人娘だったし、猛反対されたんだ。
お母さんは私の味方をしてくれて、「めぐちゃんの好きなようにさせましょうよ」なんて言ってくれてた。
理由は、やっぱり昔自分が悲しい思いをしたことと、学校に通っていればもう卒業なんだから、親の都合には合わせないこと、だって。
その反面、しっかりと自立してやれということだった。
自立の話しになって、「音楽は辞めて働くのか?」と聞かれた。
そのつもりだし、そうするしかないと思っていた。
でも働く事がどんなに大変なことなのかは想像も出来なかった。
ただ、やるしかない。誠二くんのそばに居れるなら。それだけだった。
そんな時、全く予測不可能なことが起きたんだ。
そして、それを起こしたのはジャン。
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