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「オレ……不安だった。また会えるのか。本当に会えるのか」
「私も……!」
お互いに抱き締める力が強まる。
「めぐ、いつまでこっちに?」
…そっか。また行っちゃうって思ってるんだ。
そんなに不安にならなくていいんだよ。
「えへへ…。私、誠二くんに何て言った?」
「え?何て?卒業おめでとう?」
「うーん……そのあと!」
「痩せ……、ただいま?」
「そう、ただいま!帰って来たの!」
「え?……うん、帰って来たからここにいるんだよな?…え?」
「あははっ!訳が分からないって顔してるね」
「え?…え?またフランスに戻るんだろ?」
「……誠二くんは、行って欲しくない?」
「オレは……もうめぐと離れたくない。やっと会えたんだ。そばにいて欲しい」
「えへっ……じゃあそうする!」
「……………ふぇ?」
「私ね、頑張ってたつもりだよ。フルートの先生も優しくて、向こうに着いたばかりの時もすごく親切にしてくれた。
お父さんとお母さんも家に居る時間は長くて、今まで一人だった分まで十分に甘えられた。
でも、でもね……」
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