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シュッ
刃物が振り下ろされる音がのどかな広場に静かに響く。
「・・・相変わらずスキのねぇ女だ。ボルボラ様が手下にしたいってのも道理だな」
いまいましそうに呟く男が空を切ったナイフを構える。
今しがた殺されかけていた少女はアン。
肩の上くらいの透けそうな薄茶色の髪を少し乱れさせ、男の攻撃を軽やかにかわした。
まだあどけなさを残してはいるが整った顔の深い碧眼の光が鋭くなる。
「お前がいつもここから畑に行くんでここで待ち伏せしてたのさ
代官ボルボラ様にたてつく、アン!
死んでもらうぜ」
もう一度ナイフを振り上げる男より速くアンは自分の剣を抜き男に攻撃する。
たった一撃で男は情けなく倒れた。
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