店を辞める

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店を辞める

ずっと店を辞めたいと言っていた彼が、ついに店を年明けに辞めることになった。 彼の田舎は料理屋。 店を継ぐために、料理の勉強をしたいとのことで、 少し洒落た居酒屋でバイトをすることになった。 彼に目標が出来たことが、私は嬉しかった。 夜の仕事の人と結婚なんて、絶対にイヤだと思っていたから、尚更嬉しかった。 シフトは夕方4時から深夜12時までだった。 今までは、彼の方が家路につくのが遅かったのに、今では彼の方が早い。 私は店をしばらく続けたけど、早く帰宅している彼のことを思うと、帰りたくて帰りたくて仕方なかった。 そのうち仕事がおろそかになった。
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