国民の祝福

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『オギャァオギャァ』 王宮の一室で元気に産声を上げた、小さな2つの命 祝福するように、王宮に隣接する教会では鐘の音が、「リゴーン、リゴーン」となり響いておりました しかし、部屋の中には祝福とは程遠いほど、重い空気が流れていました 「はてさて…どうしたものか…」 時の大臣は2つの命を複雑な表情で見つめました それは、この国の掟の一つ『世継ぎなる子は一人なり。双子ならば一人は太陽に戻すべし』 つまり、双子のうち一人は殺さなければならないと言う掟でした 産まれた命は、男女の双子 王様と王妃様は、この掟を頑なに拒みましたが、大臣達は掟を守ろうとしました そして、一つの命はその存在を消される事になったのです 産まれたのは「王女」ただ一人と国民には伝えられたのでした
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