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「横山さん、藤原が呼んでる」 真尋と喋っていると、同じクラスの森本君に話しかけられた。 「…は。え、藤原って誰」 「藤原といえば、藤原咲弥に決まってるでしょ」 あんた馬鹿?なんて目で見てくる真尋の態度に涙が出そうになりつつも、私は甘い甘い卵焼きを頬張る。 藤原咲弥といえば、 容姿端麗 頭脳明晰 運動神経抜群 おまけに 笑顔が天使のようだ とかなんとか。 「私は、そんな完璧な人間に用はないよっ」 「あんたがなくても、向こうがあんたに用があんのよ」 「あ、そっか」 そう言って席を立てば、真尋は大きくため息をついた。
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