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「じゃあ、放課後また来るね」
藤原くんは、そう言って再び笑うと手を振りながら去って行った。
「は、」
私は意味がわからず、フラフラと真尋の所へともどる。
「ほはえいー(おかえりー)」
真尋は私の甘い甘い卵焼きを頬張りながら私をちらりと見る。
「んぐ。…甘すぎる、吐きそ」
「失礼な」
人のものを勝手に食べたくせに文句を言うなんて。
「あ、藤原くん何だって?」
「あー…、今日から国枝和沙の彼女になるみたい」
そう言った瞬間、真尋は信じられないとでも言うような顔をした。
「はっ、あんたにはもったいない」
「……。そんなこと百も承知だよ、うん」
国枝和沙といえば、藤原咲弥と同じ完璧な人間。
クールでカッコイイらしい。
「うわ、平凡とか無理じゃんか」
「無理ね」
「…真尋、冷たい」
「………、愛情の裏返しよ」
え、今の間は何。
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