己の価値

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(寝言とは・・・、何たる不覚。寝言で名前呼ぶとか・・・俺キモス。) ケルトは頭の上を手で仰ぎながら邪念が消えるように振り払う素振りを見せる。 「ケルトは1位取ったときの願いが決まってそうだから、私もでないと・・・」 ミリは残念そうな顔をしながらケルトに呟く。 「気ぃ使わんでよろしい。ミリは自分のことだけを考えてりゃいいの。言ってんだろ、もう十分だって。お前の苦労は俺が全部背負う。お前の願いは俺が叶える」 ビシッと決めたケルトにミリの顔が次第に綻んでいった。 「任しとけ」 「うん」 (絶対に優勝せねば。そのためにも下見なんかは重要だな。どんな相手がいるかとか。さっさと行くべし。) 「金はあるんだろ。じゃあ、飯の心配はしなくてよさそうだな。俺が戻るまで変な行動はせずに、自宅警備に専念しなさい。ミリ隊長、分かりましたか」 「はい!」 ミリはケルトに敬礼し、ケルトを見送った。
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