明け方の駅

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ここから少しだけ歩いた距離に 朝方おきまりの薄暗さの中に ほんの少しだけ光が見えた。 僕は「ちょっと待ってて」と 彼女に僕の自転車を持ってもらい 少しだけ早足でその「光る場所」に行った。 ポッケから小銭を引っ張りだして ガタンッ!! また駆け足で 彼女の所へ戻る。 「はい,これで体でも暖めよーぜ。」 「ありがとう」 彼女の大好きなレモンティー。 「へへ…良く分かってんじゃん。」 彼女は僕が好きな笑みを浮かべながら 僕にそう言った。 「ん…まーな。」 ──何行ってんだよ。君はいつも 飲み物選ぶときは 必ずそれしか選ばないじゃんか。 僕は苦手だけど… と心でぼやいた。
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