明け方の駅

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背中の方から声がする。 君は嬉しそうに 「ほらほら!もーすぐだぞ!頑張れ頑張れ!!」 「もうちょっと,あと少し!!」 楽しそうに言う君の声が。 朝早いのか,町はとても静かで 心の中の気持ちが… 「…世界中で2人だけみたいだね」 と,小さくこぼしていた。 …大丈夫だ。彼女には聞こえて なかったらしい。 …坂の頂上の向こうから すーっとまばゆく光る 空を通してそれは見えてきた。 ついさっきまで 笑いながら喋っていたことも忘れ 僕たちは同時に 言葉を無くしていた。
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