甲虫陣営への侵攻

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猫は夕刻には主である蛙に今日の報告をしに行くので、犬の元を去った。犬は猫が去っても、夕闇の明るみの方を向き、何やらぼんやりしていた。 猫が城に入り蛙の元へ向かっていると、猿に出くわした。 🐱{おう、どうでえ、準備の方は。 🐵{ええ、滞り無く進んでます。しかし私はこの陣営に入り初陣、何故猫殿が全て任せたのか。まぁ与えられた好機ですから、必ずモノにしますが。 🐱{そりゃお前さんの実力知ってるからさ。元敵対で随分やられたからな。 🐵{そうですか…。 猿は元蛇陣営の軍師であった。蛇陣営で間者の疑いを持たれ、証拠まで見つかり、猿は命からがら逃げて蛙陣営の門を叩いた。冷たい雨の降る、真夜中の事である。蛙は猿を受け入れ、濡れ衣を着せられたと訴える猿を信じた。 しかし蛙陣営内でも、猿の悪い噂は絶えなかった。 🐱{んじゃ俺ぁ殿んとこ行くから、まぁまぁ頑張ってくれよ。 🐵{お待ちを。 🐱{あ? 🐵{本当の敵は、甲虫陣営ですか?
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