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「えと、二人の過去はとりあえず置いといて、仮面屋に案内してくれませんか?」
零夜と白銀が二人だけの世界を作っていると、不意に旭が声をかけてきた。
そんな旭の勇気ある行動に、秋斗は心の中で「旭GJ」と訳の解らないことを言っていた。
「あぁ、忘れるところだったよ。」
そう言って白銀は手を出してきた。
「なんだその手は……?」
意味が解らない、と言いたげにそう言った秋斗に対して、白銀は笑顔で言った。
「僕は情報屋だよ?
情報を与えるからには、それ相応の対価を払って貰わなくちゃ。」
白銀の一言に旭は唖然として、秋斗は笑顔を引き吊らせていた。
「対価……対価……」
そう呟きながら鞄の中を漁っていた零夜は、あるものを取り出した。
「ほら、夕飯代わりに食おうと思ってた稲荷寿司だ。」
目の前に稲荷寿司を出され、困惑した表情を見せた白銀だったが、零夜の次の一言で食いついた。
「俺の手作りだぜ?」
それを聞いた白銀は、それを奪い取り、幸せそうに口に運んだ。
「零夜くんの手作り稲荷寿司美味しーい。」
少々キャラの変わってしまった白銀に、秋斗と旭はただ唖然とし、零夜はそんな二人を見て苦笑していた。
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