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心見とは、相手の心を見透かす能力、読心術系統の能力の中で最も一般的で、心を見透かすと言うからには《全てが見えなければいけない》、逆に言えば《全てが見える》から都市伝説に成っているわけで、読心術系統の能力は都市伝説だからこそこの世界に受け入られている能力なのだ。
読心術系統の能力が都市伝説ではなくなってしまえば、受け入れられなくなり、他人のプライバシーを侵す危険な力でしかなくなってしまい、人々は精神的な恐怖から暴動を犯し、世界は混沌としてしまうだろう。
「お前が深刻な顔して何考えてんのかは手に取るように解るけど、旭の心が見えなくても成り下がったりしないから安心しろ。」
零夜は諭すように言ったが、白銀は混乱しているのか顔は真っ青で、何かをぶつぶつと呟いていた。
「零夜、こいつ大丈夫なのか?
何というか、無駄に恐ろしいんだが。」
「零たんどうするのぉ?
この人壊れちゃったみたいになってるよぉ?」
白銀の尋常ではない姿に多少なりの恐怖を感じた秋斗と旭は、零夜に聞いてみた。
「はぁ、めんどい……」
特に気にしてないのか、零夜は一回だけため息を吐くと、白銀の耳元で囁くように《ある言葉》を言った。
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