2人が本棚に入れています
本棚に追加
この世界には都市伝説と呼ばれる物が日常的に溢れていた。
この世界の人間で都市伝説を嫌いな人間はいないだろう。
ただ一人、彼を除いては……
キーンコーカーンコーン
学校中にチャイムが鳴り響き、彼はそのチャイムの音で目を覚ました。
「ふあ、もう昼休みか……飯食って屋上で昼寝でもするか。」
彼のそんな発言にツッコム者は、誰一人としていなかった。
理由は簡単、彼はこの世界で唯一都市伝説を嫌い、彼自身が周りから嫌われているからだ。
彼の名前は神無月零夜(かんなづきれいや)、何事にも無関心で「めんどい…」が口癖の高校二年生(17歳)である。
「零たーん!!」
零夜が教室を出て廊下を歩いていると、後ろからそんなかけ声と共に何かが突っ込んできた。
「はぁ、零たんって呼ぶなっつうの。」
零夜は何事もなかったかのように軽々避けると、その何かは派手に廊下を滑った。
「零たんはずっと昔から零たんなのだ。」
何かの正体は零夜と同い年の幼馴染みの一ノ瀬旭(いちのせあきら)、男みたいな名前だが、学校一の美少女である。
しかし、零夜と関わっている所為か、零夜ほどではないにしろ友達は少なかった。
最初のコメントを投稿しよう!