都市伝説

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この世界には都市伝説と呼ばれる物が日常的に溢れていた。 この世界の人間で都市伝説を嫌いな人間はいないだろう。 ただ一人、彼を除いては…… キーンコーカーンコーン 学校中にチャイムが鳴り響き、彼はそのチャイムの音で目を覚ました。 「ふあ、もう昼休みか……飯食って屋上で昼寝でもするか。」 彼のそんな発言にツッコム者は、誰一人としていなかった。 理由は簡単、彼はこの世界で唯一都市伝説を嫌い、彼自身が周りから嫌われているからだ。 彼の名前は神無月零夜(かんなづきれいや)、何事にも無関心で「めんどい…」が口癖の高校二年生(17歳)である。 「零たーん!!」 零夜が教室を出て廊下を歩いていると、後ろからそんなかけ声と共に何かが突っ込んできた。 「はぁ、零たんって呼ぶなっつうの。」 零夜は何事もなかったかのように軽々避けると、その何かは派手に廊下を滑った。 「零たんはずっと昔から零たんなのだ。」 何かの正体は零夜と同い年の幼馴染みの一ノ瀬旭(いちのせあきら)、男みたいな名前だが、学校一の美少女である。 しかし、零夜と関わっている所為か、零夜ほどではないにしろ友達は少なかった。
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