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三人が屋上に着くと、そこには誰もいなかった。
「ここは相変わらず誰もいないな。」
「有名な都市伝説、学校七不思議の一番目の場所だからな。」
そう言いながら零夜は自分の弁当箱を開き、食べ始めた。
「確か七不思議の一番目って、何処の学校でも共通なんだよね。
確かぁ……」
「都市伝説関係の話なら俺パスね。」
そう言った零夜に、旭は不満気な声で言った。
「えぇ、零たんが話の発端じゃんか。」
口を尖らせながら文句を言った旭に対して、零夜はとても冷たい視線を向けた。
その時の零夜の眼は、深紅に染まり、縦長の瞳をしていた。
「ご、ごめんなさい零たん……」
別にその眼に恐怖を感じたわけではない、しかし旭はただただ申し訳なさそうに謝った。
「《死者の呼び声》、学校七不思議の一番目は《死者の呼び声》ですよ。」
屋上の入り口辺りから誰かがそう言った。
「誰だ!?」
その声に一番に反応したのは秋斗だった。
「誰だとは失礼ですね。
親友の顔も忘れてしまったのですか?」
そこには銀髪に紅眼の男が立っていた。
「椿鬼か……ここに何をしに来た?
学校は関係者以外立ち入り禁止のはずだが?」
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