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「私は関係者ですよ。
この、桜峰高等学校の創設者ですから。」
この男の名は天王寺椿鬼(てんのうじつばき)、二百年の歴史を持つ桜峰高等学校の創設者、つまり《人間ではない》。
「二百年も前の創設者は関係者じゃない。
つか、俺等とお前がいつ親友になったんだよ。」
先ほどから椿鬼と話しているのは秋斗で、零夜はただただ弁当を頬張っていた。
ちなみに旭は、ぽかーんと口を開けて放心状態だ。
「あぁ、彼女は私を知らないのでしたか、これは失礼しました。
私の名は天王寺椿鬼、この学校の創設者で、貴方達の大好きな都市伝説の一つ、《吸血鬼》です。
以後お見知りおきを。」
いつの間にか旭の傍らに来ていた椿鬼は、笑顔でそう言って会釈をした。
ちなみにこの世界で言う都市伝説は、我々の世界とは異なり、ホラー・オカルト、ある種の噂の総称のことで、我々が言う都市伝説とは意味あいが多少異なっているのだ。
「ところでマスター?
俺達の処に来たって事は《仕事》だろ?」
弁当を食べ終えた零夜は、椿鬼をマスターと呼び、そう聞いた。
「あぁ、忘れるところでした。
二人は《ペルソナアバター》と言う都市伝説を聞いた事がありますか?」
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