擦り込み

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そこで目が覚めた。 まただ。 暖かいぬくもりだと思っていたのはヤマトとよばれるその男。 目が合った。 ベッドの中で抱きしめられていた。 私は下着姿 彼は上半身裸 「…」 私は声にならない。 「あ…目覚めた。おはよう。寝ながら泣くなよ。泣きべそだな。」 そういって涙をぬぐう手つきは慣れたものだ。 もてるんだろうな。 自分の状態を差し置いてぬくぬくそんな事を考えてた。 「私…なんで」 「昨日、泣いたのまでは覚えてない?会社の帰り道。で、その後疲れきって今にも倒れそうだから連れてきた。俺の家。」 「なぜ私は下着姿…」 「どうせ一緒に寝るなら景色いいほうがいいかと。」 「…えっ」 「大丈夫。何もしてないから。」 「それとも何かしてほしい?」 「…」 私が返答に困っていると私の顎を掴み、唇を奪った。 突然だったから、目を見開いた。 彼の唇は私の首筋へ這う。 「…っ!やめっ!」 唇を離すと彼は私をじっくりみて 「やめてほしい?」 私はまた言葉に詰まる。 本当は心地よかった。 「なんだよ。うるうるした目向けんなよ。リンチャン。」 わざと私の名前を強調する。 見つめられて名前で呼ばれてぞくっとする。 「わ…私あなたに何かした…?」 彼は私を見つめて ため息をつく。 「無防備なんだよ…分かれよ。」
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