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彼が現れたのは、私が全てを失って抜け殻になった後のことだった。
「不毛な恋なんてやめてしまえばいいのに。」
その男は私の目をみてさらに付け加えた。
「俺にしておけよ」
その時、私はベットの上で彼の腕の中にいた。
目が覚めた。
なぜ自分が裸同然でまともに話したこともないような男の中にいるのか
必死に考えを巡らせた。
頭に浮かんだのは赤々としたワイン。
あぁ、やらかした。
人間はどうして過ちを犯してから気付くのか。
私は体をこわ張らせてその男を見つめ返した。
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