運命の再会

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『だが同士よ、我々はなんだ? そう、世間的には有象無象の会社である。その実体がなんであろうと、我々ならば稼いでも問題はない。いやむしろ、我々が目指す大いなる野望の為にも稼がねばならない』 凛として言い切る。 言霊とはよく言ったものだ。その一語一句は何か特別な言い回しとかじゃない。ただ、何故か魂に届く。 たださ、“大いなる野望”って何さ。 『さて、以上の事を踏まえ、突然だが新人事を発表する。だがその前に確認することがあるのだが……平明』 「はい?」 え? 何さ突然。 『我等が掲げる大いなる野望。それは既存の日本の浄化。そして【真日本国】の建国だ。おっと、そんな鳩豆な顔するな。知っているだろう? 私は決して妄言を吐かない。例え周りに不可能と言われようが、私は全て叶えてきた』 ああそうだとも。あれは確か中学2年の時だった。荒んだ家庭のせいでとことん落ちぶれた脇野という同級生に、泣きもせず荒げもせず、ただ本当に悲しそうな声でたった一言「どうしたらいいかな……」と言われたそうだ。 この問題を解決するには、脇野の家庭そのものを変える必要がある。周りの人間は口をそろえて、流石のメイちゃんも今度ばかりは不可能だと言った。 結論だけ言えば、メイちゃんは見事に解決した。聞く話によると、家庭内の最大の問題だった両親からの暴力は、それぞれに新たな目標を与える事で解決したらしい。 ただ、その具体的な目標やバックボーンまでは残念ながら教えて貰えなかった。 それに何故か知らないけど、その時メイちゃんはとても悲しそうな、なんともやり切れない様な、歯がゆそうな、不甲斐なさそうな表情で、とてもじゃないけどその事については聞けなかったんだ。
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