運命の再会

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「さて、この書類にサインして貰おう」 提示された書類に【神童平明(シンドウ ヒラアキ)】と自分の名前を書き、その横に判を押した。 これで晴れてフリーター生活とはおさらばなんだけど、僕の心はいまいち晴れない。 理由は分かってる。不安なんだ。 原因は、この書類を提示した人物。 高そうなスーツをビシッと着こなし、無い胸を強調するかのように背筋を伸ばして胸を張る彼女の名前は【香駒芽依(カゴマ メイ)】。 黒く艶やかな髪は肩甲骨までのび、背は僕と同じくらいで170センチ前後。目鼻立ちの整った顔には、この時代に珍しく自信に満ち溢れていて、言い難い威圧感がある。 彼女、何を隠そう僕の幼馴染だ。 普段はメイちゃんと呼んでる。 その彼女が会社を立ち上げたとの事で、幼馴染のよしみか、フリーターだった僕に声が掛かった。 東京の某一流大学の経済学部をそこそこの成績で卒業したけど、この就職難のため中々職が見つからず、正直助かったとは思ってる。 でも幼馴染だからこそ彼女の規格外さはよく知っていて、それだから不安なんだ。
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