運命の再会

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例えば保育園の時。 喧嘩していた男の子を止めに入った先生が「どっちも悪い」みたいな事を言ったらしく、納得のいかなかった1人がメイちゃんに相談。メイちゃんはただちに先生を説教。 その時の名言に「結果はともかく、切っ掛けには必ず勧善懲悪が存在する」がある。少なくとも保育園児の言葉じゃない。 その後簡易裁判を教室で開き、保育園児メイちゃんの大岡裁きによりその場は丸く収まった。 小学生の時。 日系アメリカ人のトム君が片言な日本語が原因で虐められた際、メイちゃん指導の元、たった10日で流暢にしてみせた。 何故虐めを注意して止めなかったのかと聞いたら、「上辺だけの和平など無知な者のする事だ。努力の末に実力を身に付ければ、人は自然に認める」なんて言ってのけた。 事実虐めはピタリと止み、トム君はみんなから一目置かれる存在となった訳で。 まだまだあるけど、これを全部挙げたら広辞苑何冊分になる事やら…… とにかく、規格外なんだ。 「こら平明、何を呆けている。早速仕事場に行くぞ」 「え、あ、うん」 どうやら僕はぼーっとしてたみたい。 「……あれ? メイ……社長、仕事場ってここじゃないんですか」 ここは小さな一戸建て。会社設立したてにしては少し贅沢なぐらいだ。 「……ああ、付いて来れば分かる」
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