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案内された場所は【掃除用具入】と書かれた扉の前。
入ってみると、掃除ロッカーにしては広すぎる。大人3人は悠々と入れる広さだ。その上、掃除用具だってそんなに多くは無い。
メイちゃんはおもむろに入口付近の壁を触った。するとそこが開き、1枚のパネルとマイクが出てきた。
少なくとも、こんな仕掛けのある掃除ロッカーは有り得ない。
「社長、この会社って経営アドバイザーですよね……」
「フフ……すぐに分かる。そ、それと!」
急に俯いたメイちゃん。顔はほんのり赤い。
「その……さ、寂しいから、昔みたいにメイちゃんって呼んで……」
ああ、初めて会った時も同じ事言われたな。
「分かったよメイちゃん」
そう言うと、メイちゃんは途端に笑顔に戻り、すぐにまたあのパネルとマイクに向き直った。
パネルに手をかざし、マイクに向けフゥと息を吹きかけると……
『指紋照合完了。パスワードヲ言ッテクダサイ』
突然響く初音○ク。
これまた古い……
「お前の母ちゃんでーべそ」
なぬ!? 昭和のガキんちょの悪口ですと!?
『音声識別完了。パスワード一致。対象ヲ香駒総督ト確認。オ帰リナサイマセ御主人様』
「ただいま戻った。報道室まで頼む」
『了解シマシタ』
……そ、総督!? いや、てかなんなのここ!
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