運命の再会

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ステージに立ったメイちゃんの足元から何かがせり上がってきた。 何だろう、ここからじゃ辛うじてマイクの頭が見えるだけだ。 ズボンのポケットから短く先が球状の棒を取り出したメイちゃんは、腹あたりで止まった何かに向け、その棒を数回軽く叩いた。 『ピーンポーンパーン』 同時に辺りに響き渡った音。 社内アナウンスやけにローテクだな……。 メイちゃんはそんな僕の落胆なんて知る由もなく、凛とした佇まいでマイクに向かった。 『皆の者、勤務ご苦労。一端手を休めてくれ。今から新役員の紹介をする』 新役員ってもしかしたら……僕? え? 新入社員の、たった24歳の僕に役員の席を!? ステージ上のメイちゃんは右腕を突き出した。すると電子モニターが出現。それを操作すると…… 「うっ」 強い光が部屋全体から発せられ、思わず目を瞑ってしまった訳で。 目が慣れた頃、部屋の景色ががらりと変わっていた。 モニターだらけの壁は消え、目の前に100、200……ああ、数えるのも億劫な人数が整列していた。 いつの間に? ステージ上に立つメイちゃんは相も変わらず凛としていて、億劫人の視線を一身に受ける事によりさらに迫力魅力が増す不思議。 僕の方を向いたメイちゃんは、手招きして僕をステージ上に招いた。 『紹介しよう。新設する経営戦略部の部長になる神童平明だ』 案の定、仰せつかったのは僕だった。 訳も分からぬままステージに立つ。 当然ながら挨拶文なんて考えていない。いや、考えられない。 人前に立つのも馴れてはいないし、第一まだ気持ちの整理が……。 経営戦略部? 何か頭に引っかかる……駄目だ、頭が回らない。 察してくれたのか、メイちゃんは僕の挨拶は後だと言い、マイクに再び向き合った。
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