44人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁっ…寒い………//」
見渡せばそこは銀世界。
深く吐き出す息は白く、空を見上げれば冷たい白い粉が頬を濡らした。
雪で綺麗に彩られた街
『ケテルブルク』
此処は、オレの大好きな人の生まれ故郷だ。
「この景色を見て、育ったんだな……」
きっとオレの知らない『あの人』がいた。当たり前のことなのに…どうしてこんなに寂しく感じるんだろう。どんなに背伸びをしたって、縮まることない歳の差はとても大きい気がする。
「ガーイ。こんな人並み離れた場所で何をしているんですか?」
「あ、旦那。」
ふと気付いたら見慣れた笑顔が傍にあった。オレが『知っている』ジェイドだ…
「またどうせ貴方のことですから、つまらないことを考えていたのでしょう?」
「つ、つまらないことって何だよ…!」
「そのままの意味です。」
相変わらずこの人にはオレの考えることなんかお見通しらしい。果たしてオレがわかりやすいのか、それとも相手が鋭いだけか…
「それよりガイ、寒くはありませんか?」
「って言いながら何で人の手袋を外すんだよ…ι」
「それはですねー、こうする為ですよ♪」
「ッ…!//」
.
最初のコメントを投稿しよう!