初恋

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高校2年生に進級した私たちだが、私は相変わらず後ろの席。 何度席替えをしても後ろの方の席になり、そしてなぜか決まって本田くんの真後ろか、斜め後ろの席だった。 私の中で、授業中に色素の薄いクルクルの髪を見ているのが日課となっていた。 「ひっかるく~ん。世界史の教科書貸して」 休み時間のたび、本田くんの席に彼の友人が現れる。 「またかよ、隆也。これで何度目だよ、ったく。」 『隆也』と呼ばれた人物は、悪びれた様子もなく笑う。 「別にいいじゃん。俺たち友達だろ。」 微かに本田くんの肩がピクッと動く。少し間を空けて机の中から教科書を取り出すと、 「…はい。忘れ物するくらいなら、教科書学校に置いとけばいいのに。」 ブツブツと文句は言うものの、素直に教科書を差し出す本田くんに、心の中で密かに笑う私。
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