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「咲良ってさぁ、もしかして…本田くんのこと…好きだったりする?」
ある日の放課後、美里の家に遊びに行ったときに、ふとそう言われた。
「…え?まさか…そんなわけないじゃん。なんで?」
驚く私をみて、美里がニヤニヤと笑う。
「だって、いっつも本田くんのこと見てるから。
幸せそうな顔しながらさ。」
「…え?」
私は戸惑っていた。
私、そんなに本田くんのこと見てた?
「…まさか、自覚なかったの?」
美里は呆れたような顔で、私を見つめる。
『美里になら、話せるかもしれない』
意を決して、私は言った。
「…実はね、私…恋をしたことがないの」
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