初恋

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高校生の頃、入学して少し日が経った五月。 「平山さん!平山さんもお昼一緒に食べようよっ」 いつものように一人でお弁当を食べようとしていた私に、クラスメイトの女の子が声をかけてきた。 内気な性格で少し人見知りな私は、すでにグループが出来てしまっていた女子たちの中で、友達をつくるタイミングを逃してしまっていた。 そんなとき、声をかけてくれたのが、この阿部美里だった。 「阿部さん。ありがとう。…でも…いいの?」 私は、一緒にいる彼女の友人たちを見つめた。 「全然、構わないよ。ね、みんな。」 彼女の言葉に、みんながにっこり笑って頷く。 この日から、美里は私の親友になった。
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