1976人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
本田くんは、とても綺麗な、自然の栗色の髪をしていた。
かるくウェーブのかかった髪は天パーらしく、彼の友人がからかっているのを耳にしたことがある。
授業中はたいてい寝ていて、休み時間になるといそいそとどこかへ消えていく。
確かに整った顔立ちで、女子が騒ぐのも頷けるが、私は、なぜか彼に対して冷たい印象を持っていた。
誰に対しても親切で優しいけど、それでいてどこか、冷たい感じ。
『あまり俺に踏み込んで来るな』
そう言っているような、彼の笑顔。
そして彼の、ほかの人とはどこか違う、何とも形容し難い雰囲気みたいなもの。
なんとも、不思議な人だ。
最初のコメントを投稿しよう!