初恋

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本田くんは、とても綺麗な、自然の栗色の髪をしていた。 かるくウェーブのかかった髪は天パーらしく、彼の友人がからかっているのを耳にしたことがある。 授業中はたいてい寝ていて、休み時間になるといそいそとどこかへ消えていく。 確かに整った顔立ちで、女子が騒ぐのも頷けるが、私は、なぜか彼に対して冷たい印象を持っていた。 誰に対しても親切で優しいけど、それでいてどこか、冷たい感じ。 『あまり俺に踏み込んで来るな』 そう言っているような、彼の笑顔。 そして彼の、ほかの人とはどこか違う、何とも形容し難い雰囲気みたいなもの。 なんとも、不思議な人だ。
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