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その昔俺の生まれ育った田舎町には幾つもの組織の人間が溢れていた。
札幌から北へ車で二時間程走った所にある小さな田舎町。
当時は丁字家、寄居一家、源清田一家、極東会など、そのほとんどが組事務所を持たず地元でそれぞれシノギ(経済活動)をしてヤクザとして活動していた。
組事務所や若い衆を持たないなど現代ヤクザと似ている所がある。
暴対法が改正されヤクザとしての活動を制限されシノギも難しくなった現代では昔ほどヤクザになる若い奴らがいなかったり、ヤクザになってもヤクザとして生き続けられる奴らも少なくなった。
そして昭和40年代、俺の田舎町にいたほとんどのヤクザが町から居なくなった。
破門になり所払い(地域追放)で地元に居れなくなった者、ヤクザを辞め堅気になった者、組事務所のある町へ流れた者。
様々な理由で町からヤクザが姿を消した。
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