非日常的生活

2/12
前へ
/25ページ
次へ
「きゃぁぁぁ!」 美咲の朝は悲鳴から始まった。 美咲が目を覚ますと胸の辺りがやたら重く感じた。寝ぼけた状態で鏡の前に立つと、美咲は女体化していた。 「何で私女に!?」 「俺が触った」 ベッドの上でクロが人の姿になり座っていた。 美咲は胸元の印にすぐに触れ、男の姿に戻った。 「つまらん奴じゃのぅ。あと少しで女として生きていくことになったものを」 さらっと恐ろしいことを呟くクロを摘み顔の前まで持ってきた。 「余計なことするな!」 「じゃが女の姿のお主はなかなかだと思うがの」 「じじ猫がなに欲情してんだ」 クロの額に血管が浮かび上がった。鋭い爪をキラつかせ美咲の顔に×印を刻んだ。 「いてえーーー!」 美咲の朝は悲鳴から始まる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加