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「お前猫のくせにお湯とか平気なんだな。てっきり暴れるかと思った」
「わしを舐めるなよ人間」
美咲の猫を洗う手が止まる。
そしてしばらく沈黙が続いた。
猫が喋った。
信じられない事実に美咲は言葉を失っていた。
「ほれ人間、湯を止めよ。熱いぞ」
「あ…ああ……」
「猫が話すことにそこまで驚くとは全く愉快じゃの」
黒猫は器用に日本語を話した。口調からしておじいさんということはすぐに分かった。
「猫が人語を話せるなんて誰が思うよ」
「全ての猫じゃないぞ人間。選ばれた数少ない猫だけが許されただけじゃ」
「選ばれた?それって―」
ドオォォォン…
突然の爆発音と衝撃に黒猫は容器から落とされた。
「もう嗅ぎつけたか…全く、血の気の多い奴じゃの。ほれ出番じゃぞ人間!」
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