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「出番?何の?」
黒猫は美咲のことなどお構いなく、今から魔術か儀式をするのかと思わせる行動にでた。
美咲をタイルに座らせ、美咲を囲む円を掘り出した。削れていたのは黒猫の爪ではなくタイルだった。
次に黒猫は円の中に入り自分の肉球を一舐め、床に叩き付けた。
「我、黒猫の名の下に、汝、向井美咲を我が獣士としここに契約の印を求む」
すると黒猫が掘り出した円が突然輝きだした。
「ちょっと待て!契約?何のことだ!?」
美咲は逃げようとしたが光に触れた瞬間手は弾かれ円の外に出ることが出来なかった。
「無駄じゃ結界みたいなもんじゃからの…それよりこれが契約の印じゃ」
「契約の印!?肉球じゃないか」
美咲と黒猫の間でふわふわと浮遊する肉球に黒猫は自分の肉球を当てた。
「まぁ判子だと思え」
黒猫は美咲に飛びつき胸元に印を押した。
「何してんだよ!…くそっ!こすってもおちねえ」
「それじゃあ人間、ショータイムだ」
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