9人が本棚に入れています
本棚に追加
満開に近い桜の下で新しい気持ちに浮き足だっている同級生を掻き分けクラス割りの表の前にどうにか辿り着く。
クラスはA組からE組となっているらしい。最端クラスのEは絶対ありえないなと思い表を見ていく。理由はもちろん面倒だからだ。
「佐久間拓也…拓也…………D組か…」
明らかに溜め息をつく俺に話し掛けてくる奴がいた。
「なぁ?お前、D組なんだろ。一緒に教室いかねぇ?」
そう声をかけてきたこいつは井上純二と名乗る。
顔に浮かべる表情は友好的だけど何処か疑わしい。
栗色の髪はワックスで撫で付けている純二は変わった奴だった。
.
最初のコメントを投稿しよう!