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今日は森まで警邏という名のセキトの散歩に来ている。
木漏れ日とそよ風が気持ちが良い。
セキトも元気良く走り回っている。
ついでに、セキトとは犬の名前。
馬とかじゃない。
?「セキト…そろそろ……?」
セキト「ヴ~…キャン!キャン!」
セキトがいきなり威嚇する。
何かいるのだろうか?
?「チッ…うるせえ犬だな!
おい女!金目のモンだせ!」
頭に黄色い布…黄巾族だった。
今私は護身用の短刀しか持っていない…
かなり危険な状況だった。
(セキトもいるし…)
相手は三人…数は普段の私なら余裕だが、武器が今は心許ない。
小さい男が喋る
チビ「兄貴!この女、なかなか上玉ですぜ!」
兄貴と呼ばれた中肉中背の男が答える。
兄貴「そうだな…ククク…
オニーサン達と楽しもうぜ!
おいデク!」
デクと呼ばれた巨漢の男は兄貴と同じ様に下品な笑顔をしながら私に歩み寄る。
デク「グヘヘ…大人しくするんだな…!」
私は足下に居たセキトを抱えて身構える。
しかし…
--ズガンッ!
近くで大きな破裂音がすると、デクの太腿の側面から血がでていた。
そのすぐ後に声が聴こえた。
?「大の男が女相手に三人掛かりとは…穏やかじゃないねぇ」
その声は…
兄貴「だ、誰だ!」
悪意も無く、ましてや善意も無い…
?「俺か?俺は…」
純粋な、怒りを宿した声だった。
久遠「通りすがりの、元便利屋さ」
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