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真っ黒に染まった部屋。冷たいタイルの床で彼は、目を覚ました
っ!!…と唇を噛み締め右目を右手で押さえる
その振動で、瞳を見え隠れさせていた青黒い前髪が揺れた。振動は広がる様に首まである揉み上げを、違和感の無いツンツンの後ろ髪の順に揺らす
「痛むか?苦しいか?痺れるか?
全部一緒だが…」
独り言の様に彼は口を開く。其処で暗い部屋は、真っ白の光で包まれた
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此処は、公園。そこのベンチで先程の彼が跳ね起きた
時刻は夕方
彼の黒い瞳には、夕日が映っている
だが、全開に開いていた瞼は半開きになり中性的な顔は、男性と女性を足して割った様になった
「夕方…?」
んん~!!の声と共に背伸びをして寒い風に震える。
焦げ茶色のベンチコートを深く着てフードを被ってそれを凌いだ。そろそろ帰る時間なのだが、彼は帰らない
良く見ると黒いTシャツと青黒いダメージジーンズは汚れていた
喧嘩…もしくは、ホームレスや家出なのだろうか
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