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「……あ……ああ」
中性的な顔と変わらず声も音程を変えれば女性にも、男性にもなる声で発音練習を夕日を眺めながらしている
何故かは、知らないが何かの理由があるのだろう
そんな練習中に複数の足音が彼の耳に届いた。直ぐ様、練習を中止し音の本体に半開きの瞳を反らす
その先には、様々な“凶器”を持った男や女やら約四十人もの人だかりが来ていた
リーダー役らしい三十代の男が口を開く
「へへっ!!街のゴミを掃除す…」
「この街に居るホームレスは、俺だけか。腐ったな…この街」
リーダー格の男を遮る様に彼は神秘的な声を上げる。それと同時に凶器を持った者達が一斉に彼に向かう
まるで軍隊を連想させる統一した走りだ
「二年前のあの事件で世界は変わったな
要らない人間を殺る事件が相次いだ。ホームレス狩り…と呼ばれていたな
下らない話だ。…始まりは、“世界を統べる様になった人間”のせいだが…な」
ここまで彼が喋る頃には凶器が目の前に迫っていた。バット・木刀等の鈍器系統から、ナイフ・カッター等の刃物系統まで迫っているのだ
それが全て彼に“命中した”
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