家族

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リョウスケは走った。 今の時代では車は空を飛ぶ車であった。 それを使えば早いのだが、リョウスケはまだ運転もできない。 それにロボット嫌いの父になんて言われるかわからいからロボットには触ったこともないのだ。 リョウスケはやっとの思いでカストロコーポレーションにたどり着いた。 辺りはもう真っ暗である。 爆破の計画があったのにそこにはまだ立派な建物が残っている。 「もしかして…」 リョウスケの脳裏に最悪の状況がよぎった。 建物にリョウスケは侵入し、自分の家族を捜した。 ちょうど三十分くらい捜すと奥の倉庫から大きな怒鳴り声が聞こえた。 リョウスケは恐る恐る近寄り、扉に耳を当てた。 「俺らをどうする気だ?」 この声はまさしくダイスケの声だった。 「秘密がばれた以上生かしておくわけにいかないでしょう。」 一人の男の声が響き渡る。 そしてその周りからロボットが動き回る音も聞こえた。 「俺らを殺して、これからどうなるのかわかっているのか!?」 ダイスケが怒鳴る。 「侵入者を処分するだけですよ?これだけ内部をめちゃくちゃにしといてただで出られると思ったんですか?」 男が冷静に話している。 この男の名前はカストロコーポレーション社長のカストロである。 リョウスケはいてもたってもいられず、扉を少し開けて中の様子を見ようとした。 そのとき! 後ろにロボットが立っているのに気付いた。 ガシャン! 簡単にロボットに捕まったリョウスケはそのまま倉庫内に連れていかれた。 「また侵入者か…」 カストロがぼやいた。 「リョウスケェェ!」 ダイスケが驚いた表情で叫んだ。
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