ゴジラ、守矢神社へ

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「早苗が子供の頃は嬉しそうにゴ―ちゃんが映るテレビを見てたのに・・・。」 「嬉しかったのは学校が休みだったからで、テレビはゴジラが上陸すればゴジラ関連の番組しかやってなかったからです。」  早苗の言葉に嘘はないが、スーパーⅩシリーズやメカゴジラなどの対G兵器と、ゴジラとの戦闘を見て興奮したのは良い思い出だ。 「ゴ―ちゃん達だって人間の事を考えて行動していたんだよ?」 「それって本当ですか?」 「神様嘘つかない。」  諏訪子を疑うわけだはないが、正直に言えば上陸するたびに街を火の海にするゴジラが人間の事を考えているとは到底思えなかった。  だが、諏訪子が言った事は事実である。  ゴジラから見れば人間は地球上で唯一餌を作り出してくれる貴重な存在で、出来るだけ被害を出さない様に目的地である原子力発電所を目指していた。  時には川を通り、時には出来るだけ沿岸部の原子力発電所を選んだり、時にはひたすら攻撃ばかりする自衛隊に咆哮で威嚇したり色々な方法を試していた。  だが、いくら何でも限度と言うものがある。  マントルの中を泳いだり、十万度を誇るゴジラの必殺技の放射熱線を一万倍に増幅されそれを浴びても平気なチート生物とはいえ生物なのだ人間と同じ共通点もある。  全ての生物と同じでゴジラも皮膚に感覚はあるし目は見え音も聞き取れるのだ。  考えて欲しい長時間の間ひたすら爆音を聞き目を開けば強烈な閃光、そして全身にはくすぐったい感覚が常に駆け巡れば誰でもブチ切れる。 「それに、地球の危機を何回も救っているしさ。」 「それはそうですけど・・・」 ヘドラ、キングギドラ、スペースゴジラと一匹いれば人類が滅びかねない怪獣達をゴジラは倒し、事実上ゴジラは人類を救っていた。 そもそも地球にとって百害あって一利なしの人間を守った存在はゴジラとモスラ、キングシーサーくらいだ。 「ね?ゴ―ちゃんは良い子でしょ?」 「・・・はい、これからよろしくお願いしますね?」 諏訪子の情熱に負け、これからゴジラの事を何と呼べば悩みながらゴジラの頭を撫でる早苗であった。
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